いつものようにフリーWi-Fiスポットにいすわり
ケアンズやこの近辺の街で、ファームジョブ情報をひたすら模索していました。
日が落ちてきたころ、あの宿に帰ろうとトボトボ歩きだしたら。
やいや!唐突過ぎるにも程があるでしょ…w
金ないし、うーん、帰らなきゃ!ありがとう。
無料の映画と無料のコーヒーが楽しめるんだよ!
ボクはそんなうまい話はない!と内心思って警戒したが
何かおもしろそうな匂いを放つ、
ロン毛で金髪、イケメンで背は190㎝以上の謎の男に
ついていってみました(´ー`)
なぜなら、ボロイ服に身をまとった、いかにも金がなさそうなアジア人のボクを
どうしよってんだ?
それに
盗られるものなど、このお命以外、たいしてなかったしね。
もくじ
謎の白人はスゲー奴だった
互いのことについて(8割以上相手のことw)話しながらカジノまで歩いて行きました。
名前は【カジ】というリトアニア出身で
大学はカナダの学校を出て、その後もカナダに住んでいるようです。
長期休みでアメリカ大陸を
カナダ→アルゼンチンまで縦断して
オーストラリアに入り
メルボルンからケアンズまでヒッチハイクで旅してきたらしい
夜はテントで野宿して、ほとんど金を使っていないんだとか。
荷物も驚くほど少なく、デイバックくらいのリュック一つに
テントと登山用具と衣類が、少し入っているだけだった。
なにより純粋な人柄で、すぐ人に声をかけたがるのです。
カジノに着けば、
コーヒーマシーンの場所やトイレ、映画鑑賞ブース
など、ちょっと探せばわかるのに
すぐ知らない人に声をかけちゃうんです(笑)
上手く生きるにはコネクションが大事だ
シュガーインの甘いコーヒーを二杯、両手に持って
映画鑑賞ブースに着席したボクら2人
カジの言っていた無料というのは本当だった。。
カジは色々知ってて凄いね。
どうやって知ったの?
今日はないみたいだけど、ポップコーンや軽い食事が出される日もあるんだ!
映画は『ライフオブパイ』
出典:Yahoo映画
もちろん海外にいたボクは、この作品のことなど聞いたこともなく
日本版もあったことすら知らなかった。
当たり前ですが、ここはケアンズなので音声は全て英語です。。
約2時間の映画が終わり、カジが一言
分からなかったけど
すごく面白かったよ。。
実際会話のシーンの6~7割は理解できなかったが、
この状況、
ついさっき出会った人と、いまいち言葉のわからない映画を、
海外の知らないカジノで、タダで見ている
という感覚が不思議と心地よくて、映画の世界にどっぷりハマることができた!
映画は、少年とトラが小さなボートで何カ月も漂流するという話なのですが。
少年が途中、美しい無人島に流れ着くシーンを見て
『今は自分も冒険しているんだ』
『この映画は他人事じゃない』
と、映画に過度に共感を抱き、その時は気持ちが高揚していた!!
カジ、パスポートをなくす。。
楽しい映画も終わり、席を立つとカジはまた誰かに話しかけていたw
今度は白人の美女だった。
なんか状況が分からないが3人で夜の海辺を散歩。。wもうメチャクチャな展開
今までボクの英語力に合わせてくれていたカジだったが、
この時は女の子と2人でペラペラしゃべっている。
たまにボクも会話に混じる、
という感じで20分くらいダラダラしました。
美女が帰っていくと。
と言って、
なんと走っているバスをまるでタクシーを拾うかのように
手で止めた( ;∀;)
しかもここはバス停じゃないのに、止まるバスw
彼がアメリカ大陸縦断や、約3000㎞のヒッチハイクの旅を
やってこなせた理由がわかってきた。
バスに乗ったと思ったら、すぐに降りてきた。
と、顔色変えずそう言った。
一緒に来た道を引き返し、カジノの中も探したが見つからず。。
しかし彼は1ミリも動揺していない。。
と、わけのわからないことを言って、再び近くのバスを手で止めて去っていってしまった。。
そもそもフライト時間ギリギリまでカジノで映画見たり、バスを手で止めたり、
ハチャメチャすぎるカジの人間性に、ボクは口が空いてしまう。
最後にもう一度会うことになる
彼が去ってから、宿に帰って数時間後だった。
満面な笑みのカジが、受付でチェックインをしているじゃないか(‘_’)💦
飛行機は見逃しちゃって、明日の便で再出発するから帰って来たよ!
ボクが
『sylum(アサイラム)にステイしている』
とさりげなく言った一言を覚えていたみたいだ。
彼もテントがあるので、宿の庭にキャンプスタイルで一泊する。
毎晩の繰り広げられている宿泊者たちの宴に、もちろんカジも参加する。
ここで発覚したが、彼の住んでいる地域はカナダのフランス語圏である(ケベック州
なので、
母国リトアニア語に加えて、英語・フランス語
を話すので、
フランス人集団とも仲良くなっていました。
たった2つ年上の人間に、何から何まで経験値と行動力の違いを見せつけられ、
ボクはその時
『英語力も乏しい自分はまだ、スタートラインにすら立っていない』
そう思いました。。
カジに出会ったことは自分にとって新しい衝撃で、身の程を知る良いきっかけとなりました!