他の乗客たちは自由に床に寝そべっている。
ボクは固い木の椅子に腰かけたまま朝を迎えたようです。
もくじ
貧困って嫌だ!黒く浅い自分と出会う
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実は昨晩、横を通りすがる車掌さんに声をかけられました。
従業員用のベッドを有料で貸してくれるというのだ!
もちろん不正な行いでしょう。
ボクはお尻の痛みに耐えられず、その言葉に乗ったのです。
周囲の乗客は、ガラッと顔色を変えて、
「この外国人、仲間だと思ったのに。結局金もってたんかい!」
という眼差しを向けられました。
ボクはそんなことより自分が楽になることを選びました。
しかし、ベッドルームに案内されたあと、ほんの数分後。
30$は返す!
上司にバレたのか?
もしくは、もっと大金をはたく客でも見つけたのか?
理由は教えてくれなかったが、一瞬で元の格安車両に戻されてしまいました。
ボクは、さっきまで優しくしてくれた、貧困層の乗客を裏切るだけの、無駄な行いをしてしまったのです。
意外にも、ボクが席に戻ってくると、
乗客達は何も言わず、再びボクを優しく迎え入れてくれました。
ホッとした半面、心の中は
「また長時間この蒸し暑くい車両の中、この固い椅子に座らなきゃなんないのか。」
「貧困って嫌だ。」
そんな黒いことを思ってしまいました。
今まで日本という国で育ってきて、常識というものが培われてきましたが。
この車両に乗っている人たちからすれば、
ボクの中にある常識は『贅沢もいい所』です!
ボクが逆の立場で、毎回こんな移動手段しか出来ない経済力だったり、
環境下に置かれていることを想像したら、悲しくなります。
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すぐ隣では、エアコンの効いた快適な車両があり、
更に奥には、ベッド付きの車両がある。
食堂はというと、その真逆方向で。
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ボクが利用している最安車両に隣接している為、
腹を空かせた富裕層の人たちが、目の前を頻繁に行き来する。
服装は汚れていないスニーカーにジーンズ。
一方でボクの周囲の乗客は、
砂ぼこりが染みついた衣服に、ボロボロのサンダルを履いた人たちばかり。
なぜこんなにも貧困の差があるのか?
その答えがどうこうではなく、
結局自分は、楽な方に転がりたいと思うことしか出来ない。
そこには浅はかな自分しか居ませんでした。
そんなことを考えて頭をグルグルさせていたら、午前中には
ダナンに到着です。
ホイアンまで、市内バスで40分くらいかけて向かいます。
ランタンが美しい!ベトナムの人気観光地「ホイアン」
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ホイアンはトゥボン川の河口付近に面する、
ランタンと歴史的建造物で有名な、静かで過ごしやすい街です。
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ホイアンは外国人向けの観光業が盛んで、
- 土産、雑貨屋
- レストランやカフェ
- 宿泊施設
などで埋め尽くされています。
夜になると、名物のランタンが光を放ち、街はお祭りモードと化します。
気のせいか、西洋人の観光客もハノイよりもずっと多くいた気がします。
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ストリートダンサーの姿も!夜なのに、治安は極めて良好です。
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どこまで買う?キリない物売り達を前に
オープンテラスの席で夕食を食べていると、物売りがやってきて、
手作りのアクセサリーなどを歩きながら、半ば強引に売っています。
ボクは必要なら購入するけど、情をもって買うことはありませんでした。
そんな複雑な感情で飯を食っていると、すぐ隣の席に座っていた同じアジア系の観光客は、
次から次へとやってくる物売りの商品を、全て断ること無く優しい笑顔で購入していました。
すでに彼の両手には、いっぱいの手作りアクセサリーや謎の置物が…
そのほとんどが、子供が作ったであろう、すぐに壊れてしまいそうな作りの完成度だった。
そんな断ることを知らない優しい観光客のもとには、
気づけば物凄い数の物売り達が集まっている。
もう手に負えない状況になった彼は、苦笑いを浮かべ店を出ていきました。
目の前の人を救おうと思っても、同じような環境に置かれた人は数多く、たった1人の力では収拾がつかない。
東南アジアの貧困層の前では、いくらキレイごとを並べても示しがつきません。
この状況下でも、ボクは自分の財布の中身を大事にしていました。。
1ダラープリーズ!それは前世や来世の自分の言葉かも
「1ダラー、プリーズ!」
そんな声がかかってきたら、相手の存在を自分の前世や来世の姿に置き換えてみる。
ずっと前、ボクがまだ高校生くらいの時です。
どこかの旅人のブログに書かれていた言葉です、なぜだか長いこと頭に残っています。
自分の前世は、もしかしたら彼らと同じように裸足で歩き、毎日1ドルで暮らしていたかもしれません。
もしくは来世、目の前にいる、恵まれない子供と同じ世界に生きているかもしれない。
そう思うことで、前世や来世の自分にお金をあげるつもりになれば、
迷いなく旅を進めることが出来る。
っていう考え方なんですが…
今思うと、
やっぱり自分のことにしか考えてない
という風にもとらえられますね。
結局、答えなんて見つかりません。
今回は真剣モードになってしまいましたが、
最後まで読んでくださり誠にありがとうございました。