バラナシに滞在するのは数日のつもりだったが、気が付けば10日ほどもステイしていた。
そろそろ次の目的地、タージマハールがある都市
「アーグラ」
へ向かおうと思う。
これ以上リキシャの運賃を値引き交渉するのは辞めよう
バラナシ駅まではリキシャを使うことにした。
たまたま同日、サンタナで一緒だった日本人大学生もバラナシを出る予定だったので
2人で1台を乗り合わせることになった。
当時は駅まで2人で100ルピーが相場だと聞いていたので、80でいけないか交渉しながら2人で歩き回った。
80ルピーでは嫌がる運転手が多い中、1人の青年インド人が
「俺が行く」
と勇ましく立候補にでた。
彼は物凄いスピードでリキシャ漕ぎ続けて、一度も休むことなく大の男2人+バックパックを駅まで運んでくれた。
仕事の出来る男だったのだ。
このとき、ボクも一緒に乗り合わせた大学生も、自分たちの行いを恥じた。
こんなにもガッツを見せてくれて汗だくになった青年に対し、
ボクらにとってたかだか数十円をなぜ、まけろと言ってしまったのか?
汗が噴き出ている青年の背中を見たあとに、80ルピーを渡すことは出来なかった。
そうだ、カンボジアで誓ったことも忘れていた。
バラナシ駅に到着後、ボクらは100ルピーを青年に支払った。
欧米諸国と日本のバックパッカーの価値観の違いが面白い
1人では何も出来ず、さまよい大苦戦したゴーラクプル駅と比べ、
バラナシの駅はさらに大規模な駅だったが、いっさい迷うことは無かった。
分かりやすい英語での案内や、電光掲示板も見やすかったからだ。
それだけ外国人利用者も多いということだろう。
チケットは今回も代行購入してもらった、
エアコン付き車両で、2段ベッド2つ、4人部屋といったところだ。
通路と座席の間はカーテンで仕切ることができる。
このような、ちょいとリッチな【2A】というクラスに乗ることになった。
おそらく、バックパッカースタイルで旅をしている人(特に男)は使わないような車両だ。
居合わせた他3人の旅行者は、ボク以外全員西洋人だった。
インドに入国して、白人とすれ違うことはあっても、屋内で出会ったのは初めてだ。
というのも、ボクも含めて多くの日本人バックパッカーは
少しでも長期旅行をするために、現地では最安値の宿に泊まったり、最低ランクの車両に乗ったりすることが多いのです。
そこでは欧米諸国の旅行者はあまり見かけません。
しかし、これでは日本人がケチ臭い国民だと思われてしまうから、いつもボクはこう説明します。
「現地人に馴染むために、その土地では最安値のサービスを受ける」
贅沢するためだけの旅行じゃなくて、様々な経験も旅の醍醐味だからと。
しかし、車内で居合わせたドイツ人旅行者はこう反論しました。
「インドに来て、ドイツでは高額で泊まれないようなハイクラスのホテルに泊まることだって1つの経験じゃない?」
御もっともです。
日本人と欧米諸国の人たちの価値観って、想像以上に違うものがあるから面白い。
これからももっと、いろんな人に会っていきたい。