このままでは金が尽きて、ボクのオーストラリアの旅は中途半端なものとなってGAME OVERだ…
得た英語力も半端なレベルだし、何をしたかと言えば、【ひたすら放浪】かな?
このままでは帰国できない!VISAだってまだ3ヶ月も残っている。
まだまだやる気と体力と情熱を持て余していたボクは、何かがを吹っ切れたように、
宿【asylumアサイラムバックパッカーズ】
を飛び出し、スーパーマーケットから調達してきた段ボールに、持っていたビニールテープで
【Give me job】と書いた(貼った)。(私に仕事を与えなさい的なw)
もくじ
ケアンズの路上で仕事探し【ヒッチジョブ】
9ヶ月も放浪スタイルで旅をしていると、結構感覚がマヒります。
何でもありかな?
と思えてくるのです。
※決してヒッチジョブはオーストラリアで一般的な仕事探しの方法ではありません。
◇ヒッチジョブとは◇
正式名称でも何でもなく、ボクがただそう呼んでいるだけです、路上でヒッチハイクするように、段ボールなどのボード掲げて、それを見た誰かに仕事を与えてもらう行為。。
どんな展開になるかは全く予想もしていなかったので、宿は完全にチェックアウトすることにした!
ボクが黙々とテントを畳みだすと、ご近所さんのテント宿泊者たちが
『ついに、出るんだな』
と、まるでこの甘ったるいユートピアから現実世界への旅立ちを見送るような表現をされる。
それもそのはず、大抵のヨーロピアンたちもボクと同じく、
ワーホリVISAを利用し、時間を忘れてロングバケーションを楽しみに来ているのだから。
ここはそういう場所なのだ!
最後に門出の祝い品として、味の薄~いココナッツを頂く!
忘れてはいけないのが、【ショー君】と【ヨッピ】の存在だ!
2人に事情を話し、しっかりとお別れをして、1人で宿を出ようとしたら、
なんと【ショー君】もボクと同じように、このダラダラライフに嫌気が差していたようで、
「一緒に行きたい」
と言い出した。
なので、急遽!!
『Give me job』から
『Give us job』に記載を変更した!
仲間が増える分には頼もしいが、
1人で冒険したい欲もあり、当初は複雑な心境だったが、
後々考えてみれば、1人ではかなり危険な賭けだったのかもしれない。
どの道でやる?【ヒッチジョブ】
2人そろってチェックアウトを済ませ、さっそく【ヒッチジョブ】を始める!
しかし
見本もクソもない初めての作業に戸惑い、
まず初めに、どこの道がヒッチジョブに適しているのか、見当もつかないボクたちは、
宿から徒歩5分くらいの所にある、大通りでもなく、小道でもない、
丁度あんばいの交通量のロードに決めた。
宿はいつでも帰れる距離にあるが、
これ以上宿泊代金を払えないボクらからしてみれば、その距離は遠かった。
ボクら2人は今までヒッチハイクはおろか、
日本国内ですらこんな突飛押しもない行動を取ったのは初めてだった。
やや緊張しながらも、やるしか道は無いと分かっていたので、
意外にもあっさりとボードを掲げることが出来た!
まずは1人目、愛想バツグンのおっちゃん
開始から20分もしない頃、思ったよりも早く1台目が止まってくれた!
急展開に
オドロキながらも、止まってくれたレッドの小ぶりな車へ向かって走り出す!
中から出てきたのは、笑顔満点の背の低い小太りの40代くらいのオージーの男性だった。
握手を交わせば、すぐさま仕事依頼の話を始める。
今おれん家で、
車の駐車場に屋根の取り付け工事を始めるところなんだ!
その手伝いとして、やってみないか?
最初止まってくれた人は、とても雰囲気の明るい人で家のDIY的な仕事をくれたのです。
しかし
給料は時給10$程度のおこずかい、しかも継続は無く、今日限りの仕事だった。
その時のボクは、もっとでっかく稼げる仕事がしたかったので、、
なんと断ってしまった。。
それでも笑顔を崩さず
と言ってくれたおっちゃんには、本当申し訳ない事をした。同時に後悔もした。
今の無職である状況よりかは遥かにGoodな環境に行けるのに、
どうして断ってしまったのだろうと。
もしかしたら、次につながる新たな出会いがあったかもしれない。。
自ら看板をもって仕事を募集しているのに、来た人を返すなんて本当にアホな男だった。
だけど、この暑さの中体力も限界があるし、
落ち込んでいるヒマなどなかったボクらは引き続きボードを掲げた!
2人目はケバブ屋さん!?
驚くことに、1時間後にはもう1人の男性が止まってくれた!
大型トラックはやや遠いところに停車したので、一瞬わかりずらかったが、
走ってトラックに向かってみると、
トラックの窓からブラウン系のオジサンが顔を出してこう言った。
サーカスが開催されるんだが、
俺はそのイベントの一角を借りてケバブ屋を出す!
手伝ってもらいたいんだが、
見ての通りこのトラックにもう2名は乗れねぇから、
どっちか1人にするか、そのバカでかい荷物をどうにかすれば何とかなるかもな!
そういってボクらに考える時間を与えてくれた!
しかし出た答えは、荷物を捨てることも、1人に絞ることもできなかった。。
おっちゃんとは電話番号だけ交換して、
その時にでもまた手伝ってくれよ!
そう言い残して、またもや仕事を逃してしまった。。
野宿禁止!銭なし野郎はどうすれば?
気づけば空がオレンジ色に染まりだしました。
一瞬、自分の荷物から目をそらした【ショー君】はアボチャンにタバコを盗まれてしまいます。
日も暮れ、もう2人ともやる気を失ってしまった。
ボクは宿をチェックアウトした時点で覚悟していたが、
今日中に【ヒッチジョブ】が上手くいかなければ野宿するつもりだった。
ショー君もボクと同じく銭なしです、一緒に来ると決意した!
しかしオーストラリアは、(日本もだけど)※野宿禁止※
アサイラムのママに聞いた話によると、
夜はいたるところに警備の車がライトを照らして巡回しているとのこと。
捕まれば罰金ウン万円!(オーストラリアは罰金大国でもあるw)
だから
やる気を失っている時間はなくて、
完全に真っ暗になる前に、急いで警備の目の届かない、人けがない場所を確保しなければなりません。
一晩中夜道をさまよわなければならない危険性も全然あり得ます…
こういうのは、先輩路上生活者に聞いた方が早いと思ったので、
たまたま目に留まった、いかにも同じようなニオイがするアボチャンらしき人に、
今夜警察にバレない寝床を聞いてみた。
そうして教えてもらった公園へ行ってみると、、
公園みたいな広い『墓地』だった。(´ー`)。。。
しかもまだ夕方だっていうのに、警備隊がミニカーで巡回中や!!
しかもこっち向かってくるし、、
そりゃ汚いアジア人2人が墓地なんかおったら当然か。
宿のママが言っていたことは本当だった。
アボチャンの情報はみじんも正しくなかった(笑)
この状況をどう回避するか考えるボクたちだった。