シャウエンの街並みを見てしまったら、他の都市にも行ってみたくなるのは自然なこと。
砂漠に行く前に、もう少しだけ寄り道を考える。
巨大迷路のような都市、
「フェズ」
という場所へ行ってみることにした。
もくじ
迷宮迷路都市?フェズで案の定迷子になった話
そこは迷路のように入り組んだ街として有名なところ。
絶対迷子になると仮定したから、
日が沈むまでがタイムリミットとして!
かなり時間の余裕を持たせて行動するため、正午前には到着した。
宿はあらかじめ予約しておき、
という宿に、暗くなる前までにチェックインするミッションを自分に与えてみた。
一応Googleマップには記載されているホテルなのだが、
地図に従って歩いていたら、民家の中に入ってしまったり、全然関係ない通りにでたり。
やみくもに歩いても一向につく気配がない。
日が沈むまではザックリ計算して6時間ほどあるのだが、あっという間に2時間経過…
ボクはフェズに訪れて、ただ迷路で遊んでいるだけだった。
3時間もたつと、若干日が落ちかけてきて焦る。
まさかここまで複雑な迷路だとは思ってもいなかった。
馬鹿みたいにスマホ片手に歩いていると、迷子になっているのがバレバレだから、平然とした態度をとり続けるも、
疲れてくる。
幸い小さいリュック1つで旅をしていたので、なんぼでも歩くことは出来たが、さすがに長時間はきつかったので地べたに座って少し休憩。
すると面白いことに気づいた。
ふだん旅行者として海外の道を歩いていると、道の隅っこに座っている現地人にジロジロみられて、コチラとしては良い気持ちではない。
しかし彼らと同じように、ボクも床に座って道を歩く現地人をジロジロと目で追ってみると。
恥ずかしそうにボクから目をそらすモロッコ人。
カワイイところ、あるじゃないかw
結局「リヤド ナシム」に辿りつくまでにかかった時間は
3時間半!!!
マジな話です、
「こんなだったら予約なんてしないで、適当に目についた宿にチェックインすればよかったと」
探している途中何度も後悔してました。
見つかったきっかけは、
人の案内を疑わずに聞いたことです。
さまよっていると、いろんな人から声をかけられますが、
初めての土地での声掛けは、基本無視に限ります。
でもさすがに3時間以上も迷子状態はアホすぎます、、なので目が合った子供に。
この辺なはずなんだけど…
もう超疲れたんだけど…
道わかる?
すると案内が始まり、ことの数分であっさり目的地へ到着。
やはりマップには記載されていない道を歩いていた。
とうぜん子供は見返りを要求するが、ここまで気持ちよくチップを渡せたのは初めてだった。
4時間近く悩んでも分からなかったことを、たったの数分で解決したんだから、称賛の意もこめて10ディルハム(モロッコのお金)を贈答した。
外は暗くなりかけていたし、ギリギリでチェックインできたことにホッと安心。
このホテルを選んだ理由は、予約サイトで高評価だったからだ。(現在はそうでもない)
確かに、安い割にはプチ豪華な内装に部屋もステキだし、屋上からの眺めは最高だった。
ただ宿泊してみて、高評価のカラクリが分かった。
それは無料朝食だった。
「朝ごはん食べるか?お金はいらないよ。屋上でゆっくりどうぞ^^」
「食べ終わったら、予約サイトに高評価つけてね」
最後にボソッと頼まれた、なるほどこういう事だったのか。
だからやけに高評価だったわけだ。
コスパも良いし(現在は値上がっています)、眺めの良いところで朝食。
頼まれなくたって高評価をつけようと、はじめは思っていたが、ボクはウソは付けなかった。
なぜなら…
そうです、部屋のベッドにはベッドバグ(南京虫)が住んでいました。
この人生で初めて食らいましたが、かなり痒い。
かいちゃダメと分かっていながら、かいちゃう。。
気持ちいいくらい痒いw
このベッドバグ、旅人の荷物にくっついて、次の宿、その次の宿と、下手をすれば日本の自分の家にまでくっついてきてしまう危険性があります。
まぁしかたない、モロッコに数週間もいれば、出会う可能性は高いのがベッドバグだから。
こんなこともあってか、
現在では各予約サイトで、リヤド ナシム(Riad Nassim)は過大評価されることは無くなっています。
常温で保管している生肉を買ってみた
フェズの旧市街に点在する飲食店は、観光客向けの店と現地人向けの店とでは、価格が大きく違ってきます。
もちろんボクとしては安い方がいい、巨大迷路を奥深くまで進んでいくと、入り口付近とは大分雰囲気が変わってくる。
そこには、イイ感じに汚れた店や、住んでいる人たちが買い物するような売店が雑に並んでいた。
ニオイも少し独特で、人の汗と食べ物が混ざった、野性的な人間らしい香り。
狭い迷路の中にギュウっと詰まった人たちが活動しているから、気温も若干高い気がする。
今まで食中毒が怖くて食べてこれなかった、常温保存されている生肉を食べてみることにした。
肉はガラスケースに入ってはいるが、常温だ、ただ虫よけの為にケースに入れているんだろう。
お腹壊しそうな、この生肉をどうやって調理するのか、とても興味深かった。
まずは出刃包丁でブロック肉を一口サイズにぶった切る。
今度は細かくなった肉を鉄の串にさして、高温に熱されたカマの中へ入れて、BBQのようにジュージュー焼いていく。
最後の仕上げ作業に、ボクは納得した。
なんと焼きあがった肉をガスバーナーでさらに加熱するのだが、バーナーの火力をもう1段階上げるために、送風機で火に風を加える。
ここまですれば、もう食中毒の元となる菌は完全消滅するだろう。
そして出来上がったのが焦げ焦げ肉♪w
これをアラビアパンに挟み、トマトソースで味付けして完成。
これが1個5ディルハム(約60円弱)のモロッコ流ハンバーガーだ。
おなじような物を外国人観光客向けの店で食べたら、3倍以上の価格になる。
肉はカチカチだけど、しっかり噛んでいるとジワジワと牛肉の味が効いてくるから、
お気に入りだ。
さいごに
大迫力に圧倒された…「アザーン」と言われる住民一斉で祈る声。
1日5回お祈りするムスリムの方々、日本人のボクにとっては馴染のない文化。
神様や宗教という事柄が、人々にとってどれほど重要な存在なのか、思い知らされた。