お金を盗られた悔しさと、無力だった自分への悔しさと、
ドミトリーのベットの上に座り込んで一歩も動かない、
悔やんでばかりでエジプト1日目は過ぎていった。
もくじ
前向きなってもトラウマが残った
「生きているだけでラッキー」
どこかで聞いたことがあるセリフを思い出して、ようやく我に返る。
気持ちを前向きにするまでに、丸1日を費やしてしまった。
心は晴れたけど、やっぱり外を歩くのは怖いと思ってしまう。
サファリホテルに宿泊している人の中には、
旅行ではなく長期で住み込んでいる日本人や、女性バックパッカーだって居るというのに。
それなのに、エジプト初日に起きた恐喝事件がトラウマで、ボクは外を歩けなくなっていた。
出たとしても、ホテルから半径数百メートル以内。。食料を買ったりするだけ。
ビビっているボクの心境とは裏腹に、街中で会うエジプト人は皆
陽気でフレンドリーだった。
仲間を作っていざピラミッドへ
ピラミッドに行くには、ボクが宿泊しているサファリホテルから電車とバスを乗り継いで行く必要があった。
何も行動できなくなっていたボクにとっては難易度が高すぎた。
早いとこ治安の良い国へ避難したいが、せっかくエジプトまで来たからにはピラミッドを見ずには帰れない。
費用はかさむが、いっその事
「セキュリティーつきのプライベートツアーにでも申し込もうかな?」
と考えこんでいたとき。
ホテルのロビーで、一緒にピラミッドへ同行してくれる、同じ歳くらいの日本人と出会った。
彼は地下鉄やバスの乗り方も熟知していて、ピラミッドまでの道順を把握している、
頼もしい仲間が加わったのだ。
砂漠の敵は強いからね、本来ならもう少しレベル上げてから来るべきだったのかもしれない。
ギザのぼったくり乗り合いバス
まずボクたちは地下鉄でギザ駅まで来た。
ここまでは順調だったが、ここから先へ進むバスが見つからない。
ジッと待ってもらちがあかないので、ピラミッド方面へ歩きながら乗り合いバスをキャッチすることに決めた。
5.6分歩いたところで、すぐにバスは捕まったが、料金を聞いても答えてくれない。
バス運転手
「ハラム(エジプト)には、ちゃんと最後に案内するから、支払いはそのときな♪」
無駄にニコニコしていて、明らかに運転手の様子がおかしい、またか。
他の乗客を全員降ろしてから、わざと車内にボクら2人だけを残して最後にボッタクロウという根端だ。
ぼったくり運転手
「I love japan(^^」
出た!
最初に日本を褒めて褒めて、こちらに油断と隙を作る作戦だ。
タクシーがピラミッドの入り口に到着すると、案の定高額な料金を要求してきた。
正式な料金はいくらなのか?それは途中で気づいていた。
他の乗客(現地人)が下車する際に支払っていた額を見れば、およその相場は分かる。
しかし今回は2対1!
仲間がいて良かった、2人で相手の要求を拒否し続けるが、
エジプトのぼったくりタクシーは半端なくしつこいw
東南アジアのぼったくりとは比べ物にならないくらい、ネバネバ粘って引き下がる気がしない。
しばらくすると、他の利用客がやってきてボクたちの口論を不審に見ている。
すると運転手はマズいと思ったのか、何ごともなかったようにしらをきって、今度は
「1ポンドもいらねぇから、とっとと行け!」
と逆切れ。
あとに何を言われるか分からなかったので、とりあえず2人分の料金(5ポンド)を投げるように渡して、難を逃れた。
拉致られてもおかしくない? 詐欺師と軍人とボクら
ピラミッドへの入り口は目の前、
少し歩けば、またすぐエジプト人に捕まるw
「勝手に入っちゃダメ!!ここで入場券を買いな~!」
今度は詐欺師だ。
入場券が必要なことは知っていたけど、販売所はこの先、
ゲート前に詐欺師がいることは事前に調査済みだった。
ボクらは粘っこいエジプト人相手に、ガン無視を貫き通す。
道のわきにライフルをもった軍人が座っていたので、正しい販売所を問いてみた、
すると軍人は何も答えてくれず、ただ鼻で笑っているだけだった。
よく考えてみれば、
軍人の仕事は道案内でもなければ、ちんけな詐欺師を取り締まることでもない。
上空には頻繁に戦闘機が飛び交っている、それどころじゃないさ。
いかに自分は、超平和な国からやってきた人間なんだということに気づかされた。
「俺たちさ、今ここでISISに拉致られてもおかしくない状況なんだよね。」
同行してくれた青年がボソッと一言。
観光客はガラガラ!念願のピラミッドとスフィンクス
耳が痛くなるくらい上空(戦闘機)も地上(客引き)も騒がしい。
時は2015年9月、世はイスラム国の話題で騒がれている真っ只中。
よって観光客はガラガラ、ラクダ遣いの方が多いくらい。
数少ない観光客のほとんどは、安全なツアーで来ていた。
ボクらのような個人旅行者は数少ない。
ピラミッドを間近で見てみると、想像以上に巨大な石の階段だった。
触れたというか、乗ってみた感想は…
暑い、客引きがウザい、飛行機うるさい
というわけで、カッコつけて旅に酔いしれる余裕は一切なく、
目の前のざわついた環境に身を置くことで精一杯でした。
このあとは、複数あるピラミッドの周辺を、淡々と歩き回って試合終了!
スフィンクスが見つめる先にある、話題のKFCにも立ち寄ってみる。
旅行者が少ないから、店内は完全貸し切り状態だった。
夕暮れまでギザに滞在、帰りのタクシーもまた、ぼったくろうとしてきた…
もはやボッタくりは、エジプト旅行ではお約束のイベントとなりつつあるw